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【個人演説会_分割投稿】5つの挑戦④ 基幹産業である農業の再生

双葉町の基幹産業であった農業の再生は、絶対に必要な重要な取り組みだと考えています。1期目に産業厚生常任委員会委員長を担わせていただきましたが、委員会でも調査をさせていただき、一番勉強をさえてもらった分野だと思っています。
以下、個人演説会の該当部分から再生できます。

農業は、双葉町で古くから営まれてきた大事な産業です。言わずもがなですが、原子力発電所が建設される以前から営まれてきており、その従事者のみなさんは古くから町の土地を守ってきました。
一方で、原子力災害によって土地は大きく汚染され、帰還困難区域も未だ多く残る土地で農業を再生させることは厳しい荊棘の道でもあります。それでもなぜ優先度を上げて再生に挑むのか、まずはそこから考えを書きたいと思います。

■双葉町での農業再生の重要性を考える
1.食料生産は最大の安全保障である
まず少し大きな視点から考えたいと思います。
当たり前ですが、食事は人間にとって絶対に欠かすことのできないものです。食料自給率を高めておくことは安全保障上に大切な取り組みになってくると考えています。
災害や紛争、経済危機など、世界がグローバルにつながっている現代社会においては外圧により日本全体が翻弄されるケースが増えてくると思います。そんな中で、とても小さくローカルな取り組みは、予期せぬ事態が起きた時に、一つの安全保障として機能する取り組みになると思います。

2.農業再生は土地の価値をあげる
原子力災害の大きな問題は土地の再生です。この場所で価値ある産品が作れるようなったという結果を作り出せればそれは大きなメッセージになると考えています。また、再生をさせていく土地の面積は広大です。これらの土地を広く活用していくには、企業などの誘致だけでは限界があります。
農業再生は双葉町の土地の価値やブランドを向上させてくれる一つのファクターになることは間違いないと考えています。

3.農業を守ることはふるさとを守ること
農業は先祖から代々土地を受け継ぎながら、土地を守り続けられてきた人々の営みです。そこには先人も含めて多くの双葉町民が関わってきました。そういった意味で、土地を介した関係人口はとても大きな規模になると考えられます。土地を守ることは、双葉町を守る上で重要ファクターとなり、さらには人口を増やしていく一つの鍵になってくると思っています。

■農業再生の課題
農業再生の重要性は間違いなくありますが、その課題は大きく一筋縄ではいかないのも現状です。その課題も整理してみたいと思います。

1.環境整備が完全ではない
双葉町は8割以上が帰還困難区域という状況であり、その地域は山側の地域に広がっています。農業に重要な水は、山から海へ流れていくわけですが、上流の復旧が進まないため水路の再生が未だ不十分です。水が少ないという条件不利の中で農業再生をしていかなければいけないという困難さがあります。
(農業再生を進めることが帰還困難区域の除染、解除に大きく貢献すると考えています)

2.作れる農作物が限定的かつ農地改良も必要
出荷制限や摂取制限については、きのこや菌糸類といった放射性物質を吸収しやすいもの以外はある程度の制限は解除されています。ただ、前述した水の問題もあり、作れる産品がどうしても限定的にならざるを得ません。水を大量に使う水稲はなかなか再開することが難しく、水が少なくて済む農作物を畑作で行うという選択肢を取るしかありません。
また、双葉町の農地は水田が多かったこともあり、現時点でいざ農業をスタートさせようとすると、水田から畑に改良するという作業も発生します。

3.土地と人のマッチングが困難
農業は先祖代々土地を継承しながら営んできた産業です。そういった性質のものでもあるので、土地を子に受け継ぎ農業を続けていくというのが一般的でした。
他の地方もそうだと思いますが人口減少や仕事として農業に取り組むひとが減る中で、子に受け継ぐ手法での農業継続は難しくなってきています。双葉町は全町避難という状態を14年以上にわたって過ごしているため、特にそのやり方での農業継承が難しくなっており、新しく参入するひとも含めた、農業の再生を考えていく必要があります。
しかし、その時に課題となるのが土地探しです。目の前に人が住んでいない中で、農業を始めたいとやってきてもどこから手をつけてよいかわからない状態が生まれます。そのような課題に対応する体制づくりをしていくこともこれから重要になってきます。

■課題解決に向けて
冒頭で言及した背景から、双葉町での農業再生の重要性は間違いなくあると思いますが、数多くある課題を突破しなければその道を切り開くことはできません。
この状況の中で、課題突破をするためのいくつかのキーワードがあると考えています。それは、『コア(核になる人をつくる)』『コンサルティング(組立・立上げ)』『シンクタンク(知恵の集積と共有)』『コーディネート(人と人を繋げチームにすることや連絡調整)』の4つです。
環境が整わないこの難しい状況で、でもやり切るんだという意志を作っていくには、まずはコア(リーダー)になれる人を作ること。そしてその人に寄り添い支えていく人とコアパーソンをフォローし一緒にプレイヤー(就農者)として頑張ってくれる人を作っていくことが必要だと思います。

これらの取り組みを実践していくには、個人営農の形態では難しいと思います。継続的な取り組みとして続けていくためにも地元従事者の営農法人化の促進や、会社として農業に取り組んでくれる方の参入を促していくことが重要であり、それらを町と共にコーディネートする組織(NPOなど)も必要になってくると考えております。
双葉町の農業再生のために、このような議論を深めていきたいと思います。

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